カネカ水産の海苔づくり

広島県最大の海苔の名産地・福山市内海町。
カネカ水産は、自然環境やその時期にふさわしい栽培・製造方法を試行錯誤しながら、胞子の段階から商品になる全ての工程にこだわり、じっくりと丁寧に海苔づくりを行っています。そのシーズンで最初に収穫する「初摘み」の海苔を使い、醤油を使わないやさしい味わいが特徴の『薫さんの漁師のり』をはじめ、ピリ辛で食べ応えのある味のりなど、どれも自信を持ってオススメする自慢の味に仕上げています。

海苔商品

伝統を受け継いできた内海町の海苔養殖

内海町で海苔の養殖が始まったのは昭和40年代ごろのことだといわれています。当時は、浅瀬に網を張り、干満の差を利用して海苔を育てる「支柱式」と呼ばれる方法が主流でした(現在でも佐賀県等の有明海でメジャーな方法です)。その頃は機械化がそれほど進んでいなかったため、大量生産が難しく、希少な海苔は高級品でした。

養殖海苔風景04

技術の発達とともに身近な存在になった海苔

しかしそれから間もなく、沖に網を張る「浮き流し式」が取り入れられ、養殖技術の発達とともに機械化が進み、大量生産が可能に。そうして、コンビニのおにぎりやお弁当でも海苔が身近に使われるようになり、今や海苔は私たちの食卓に欠かせない存在となりました。
そんな内海町で代々続くこだわりの製法で、海苔養殖をしているのが私たち『カネカ水産』です。

養殖海苔風景05

海苔の種付けからじっくりと

おいしい一番海苔を育てる秘訣は「種付け」にあります。
種付けとは、海苔の養殖のスタートの段階において海苔の胞子を網に仕込み、海に広げる作業のことです。この種の選別や仕込みなどをじっくりと丁寧に行います。網についた小さな胞子を落とないよう気を配り、毎朝日の出とともに網を干し、洗い、海に戻します。手間暇かけた育苗を行うことで、絶品の海苔を育んでいます。

養殖海苔種付け03w

美味しい海苔ができるまでの製造工程

種付け【9月下旬から10月上旬】

海苔網を水車で回転させながら海苔の種を付着させます。
種が付着したかどうかは、肉眼では確認できないため、顕微鏡を用いて種の付着を確認します。付着した胞子が多すぎると成長を阻害し合うため、注意深く付着した海苔の種の様子を観察します。
程よく海苔の苗が付いた海苔網は、海の水温が下がるまで冷凍保存します。

養殖海苔種付け04w
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育苗【10月下旬~】

海水温が23℃をきる頃には、海に網を張り込み育苗が始まります。
冷凍保存していた「海苔網」を重ね、海上に設置します。
10日目ぐらいで海苔が肉眼で見えるようになり 、さらに10〜15日後には長さ1〜2cmまですくすくと育ちます。

養殖海苔風景02
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海苔摘み【12月中旬~】

冬のはじまりとともに、海苔の収穫がスタートします。
30cm程に成長した海苔を潜り船という船で網の下をくぐりながら、カッターを使って摘み採ります。摘み採りは1枚の「海苔網」から5〜8回程度行いますが、1回目の摘み採りで収穫した海苔を「一番摘み海苔」や「初摘み海苔」と言い、柔らかく口どけ・風味の良い味わいが特徴です。

養殖海苔風景05
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加工・製造

海苔師は収穫したらそれで終わりというわけではなく、作業場に送られた海苔を洗い、ゴミの除去、裁断、塩分や水分濃度の調整などの加工作業も行います。加工後の海苔は問屋や加工メーカーを通して最終的な製品として販売されます。
繁忙期には、海上での収穫と平行して工場の稼働も伴うため、効率よく分担して作業します。

製造工程1
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シーズン終了【3月中旬】

海水温が上昇すると、養殖海苔の品質も下がってしまいます。
春の到来とともに海上に仕掛けた海苔棚を撤去してゆき、その年の収穫は終了となります。

カネカ水産では、大切に育てた海苔を直接消費者へ届け、内海町の海苔を知っていただきたいとの想いから、自社生産したものを販売しています。次の冬が来るまでの春・夏の期間は、タイ・ヒラメ・イカなどの魚を獲り、定置網漁に勤しんでいます。

製造品3